国民年金と厚生年金 切り替えが必要なのはこんなとき

2019/10/23

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年金はすべての人が加入するもので、就職や退職、結婚など働き方が変わるときに国民年金と厚生年金の切り替えが必要になります。おおまかに言えば給料をもらって働いている人は厚生年金に加入し、自営業などの場合は国民年金に加入しなければならないということです。

切り替えが必要なケースについて年金を受け取るための資格と手続きについて解説します。

年金の仕組みと国民年金・厚生年金の受給資格の違い

年金の仕組みと国民年金・厚生年金の受給資格の違い-h2
出典元:123RF

公的年金には国民年金と厚生年金があり、働き方によって必ずどちらかに加入しなければなりません。国民年金加入者は老齢基礎年金(定額部分)を受け取ることができ、厚生年金加入者は老齢基礎年金に加えて、老齢厚生年金(報酬比例部分)を受け取ることができます。主に会社勤めの人が加入する厚生年金は保険料を会社と折半して支払い、厚生年金に入っていれば同時に国民年金の保険料も納付していることになります。

年金は強制加入

強制加入の意味するところは、年金をもらう立場にある国民ひとりひとりが保険料を納付する被保険者とならなければいけないこと、もうひとつ、被用者(雇われている人)の保険料を折半して厚生年金の保険料を納付する事業所も厚生年金適用事業所として健康保険と合わせて厚生年金に加入しなければならないことです。

国民年金は20~60歳までの国内に居住するすべての人、厚生年金は厚生年金適用事業所に雇用されるすべての人(65歳以上で老齢年金を受給者を除く)が対象とななります

被保険者としての種類は3つ

加入するのは国民年金と厚生年金の2種類ですが、年金保険料を支払い年金を受給する被保険者の種類は3種類に分けられます。

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出典元:日本年金機構「公的年金の種類と加入する制度」

上の図のように第1号被保険者、第3号被保険者は国民年金(老齢基礎年金)を受給することができ厚生年金加入者となる第2号被保険者は老齢基礎年金に加えて厚生年金(老齢厚生年金)を受給できます。第1~3号被保険者の内容は以下のようになります。

被保険者の種類 対象者 保険料の納付方法
第1号被保険者 自営業、農業従事者など、学生、フリーター、無職の人
  • 自分で納付(納付書、口座振替など)
  • 経済的に困難な時は納付猶予の制度がある
  •  
第2号被保険者
  • 厚生年金適用事業所に勤務する人(一般の会社員)
  • 公務員や私立学校の職員など
  •  
  • 納付手続きは雇用されている会社が行う。被保険者の保険料の1/2を会社が負担する。
  • 公務員や私立学校の職員は厚生年金ではなく共済年金に加入する。
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第3号被保険者
  • 第2号被保険者の配偶者(20歳以上60歳未満)かつ被扶養者
  • 年収が130万円以上で被扶養者でなくなった場合は第1号被保険者に異動する
  •  
  • 年金保険料の支払いは免除される。
  • 受給できるのは国民年金(老齢基礎年金)
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国民年金と厚生年金については以下の記事もご覧ください。

国民年金と厚生年金が切り替わるケース

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出典元:123RF

国民年金と厚生年金の切り替えは第1~3号被保険者の年金資格が異動するということです。一般的な異動のパターンは次のようなケースがあります。

就職した時

就職のケースは、中学卒・高校卒で就職し年金に初めて加入する、大卒で就職して国民年金保険料を20歳から納付している場合と納付していない場合、無職、フリーターで就職しそれまで国民年金保険料を納付している場合と納付していない場合、自営業でそれまで国民年金保険料を納付していた人が就職し厚生年金に加入する場合、などさまざまな状況が考えられます。

いずれの場合も就職先が厚生年金適用事業所であれば、就職すると5日以内に会社側で厚生年金への加入手続きが行われ、厚生年金保険料が給与から天引きされます。

就職する以前に国民年金保険料を納付していれば、第1号被保険者から第2号被保険者に異動したということになります。

就職した時点が20歳以降で国民年金保険料の未納期間があれば、日本年金機構から納付書や督促状が送付されるので納付しなければなりません。

また、厚生年金には下限の年齢制限がなく、20歳未満でも就職すれば自動的に厚生年金に加入することになります。

退職した時

会社を辞めた場合は、厚生年金の加入者である第2号被保険者から国民年金の加入者である第1号被保険者に異動する手続きを自分で行う必要があります。

手続きは住民票のある自治体の年金担当窓口で行います。手続きには、

  • 年金手帳
  • 会社が発行した退職を証明する書類(離職票、源泉徴収票など)
  • 身分証明書(免許証など)
  • 印鑑

が必要です。この手続は14日以内に行うことが義務付けられています。

納付できなかった場合には未納分をまとめて納付することも可能です。未納分は追納が可能ですが2年を過ぎると時効となり保険料の未納期間ができてしまいます。

保険料の支払い能力があるにも関わらず未納を続けると強制徴収の対象となり悪質なケースでは財産差し押さえが行われる場合もあります。

転職した時

元の職場と転職先がともに厚生年金適用事業所であれば、年金加入資格の異動はありません。

会社が行う保険料の納付は翌月末のため、月末を挟んで1カ月以上の空白期間ができる場合、その間は第1号被保険者となります。保険料未納月が発生するため、空白となった月数分の国民年金保険料を納付しなければなりません。

結婚・離婚・配偶者の年収の増加

結婚で被保険者の種別に関係するのは配偶者が第3号被保険者になる場合です。結婚してサラリーマンの夫(第2号被保険者)の扶養に入った妻(配偶者)が第3号被保険者に該当します。手続きは「国民年金被扶養者関係届」を夫の勤務する会社に提出します。妻が厚生年金適用事業所で厚生年金に加入しており、結婚後も働き続けるケースでは、妻は被扶養者に該当しないので、年金資格は第2号被保険者のままです。

第3号被保険者であった人が、離婚した場合、パート・アルバイトなどの年収が130万円を超えた場合、新たに就職して厚生年金に加入する場合、は扶養から外れることになります。

離婚と妻(配偶者)の年収が130万円を超えた場合は、第3号被保険者から第1号被保険者への切り替えが必要となり、「被扶養配偶者非該当届」という書類を夫(第2号被保険者)の会社に提出し、妻は国民年金への加入手続きを行います。2カ月以内に第1号被保険者への切り替え手続きがないと日本年金機構から通知が届きます。

妻(配偶者)が新たに就職し厚生年金に加入する場合は被扶養配偶者非該当届の提出は不要です。

第3号被保険者の配偶者が被扶養者であるかどうかの基準は健康保険の認定基準と同じなので、「被扶養配偶者非該当届」と同時に健康保険の手続きである「健康保険被扶養者(異動)届」も提出します。

これら以外にも海外への転勤や育児休業、災害にあった時などいろいろなケースがあります。日本年金機構ではケースごとに手続きを解説していますので、詳しい内容は以下をご覧ください。

年金に加入している(する)方

扶養については以下の記事もご覧ください。

国民年金の免除・猶予制度

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出典元:123RF

国民年金の保険料を納付することができない事情がある場合、免除・納付猶予の制度があります。条件が該当すれば自動的に保険料納付が免除される法定免除と一時的な事情により保険料納付が困難となった場合に申請により免除・猶予される申請免除があります。

法定免除

法定免除は次の3つに該当する場合に国民年金保険料が免除されます。

  • 生活保護を受けている
  • 障害基礎年金、被用者年金障害年金(2級以上)を受けている
  • ハンセン病療養者

上記に該当する場合は「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」を自治体に提出します。免除を受けている期間は老齢基礎年金の額が1/2で計算されます。

申請免除

失業や収入減少など経済的に国民年金保険料納付が困難な場合の手続きです。申請して承認されることが条件となります。

保険料免除制度保険料猶予制度があり、どちらも保険料を納付する経済的余裕がない場合に申請します。免除制度の免除される額は、全額、3/4、1/2、1/4の4種類があり、猶予制度は20歳から50歳未満が対象となります。

免除・猶予の申請を行った場合は、老齢基礎年金の額の1/2を受給することができ、ケガ・病気・死亡した場合には障害年金や遺族年金を受け取ることができます。申請を行わず保険料未納のままの状態にすると保障を受けることができなくなります。

免除・猶予を受けるための所得の基準など、詳しい内容は以下をご覧ください。

国民年金保険料の免除・猶予制度

この記事の情報は2019/10/18時点のものです。

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