助成金とは?補助金との違いや種類、申請方法、期間などを徹底解説!

2019/09/02

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会社や個人事業を立ち上げる際には、まとまったお金が必要です。そのため、必死に働いてお金を貯めたり、借金を背負うなど、資金を工面するのにとても苦労するもの。

そこで事業主の大きな助け舟となってくれるのが『助成金』です。

しかしながら、事業立ち上げ時に助成金を利用できるといったことを教えてくれる場所はなく、知らなければ助成金を受けることはできません。

そこで当記事では、助成金の種類や申請方法、条件などを徹底解説していきます。「補助金と助成金は同じでしょ?」と勘違いされている方も、その違いについて解説しますのでぜひ参考にしてください。

助成金とは?補助金との違いや受ける条件など解説!

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出典元:123RF

助成金を受けるためには、ある一定の条件をクリアする必要があります。まずは、助成金の基礎知識や補助金との違いなどを解説していきますので、助成金の仕組みを理解していきましょう。

助成金とは

助成金とは、厚生労働省が監督する雇用に関連した支援金のこと。雇用保険に加入済みの事業所において、条件を満たしていることが承認された際に支給されるお金になります。

助成金の目的

助成金の種類は豊富ですが、いづれも返済義務はありません。そのため、 助成金をもらうことばかりに目が向いてしまいがちですが、厚生労働省が助成金を提供する目的は『労働環境の整備』にあります。

例えば、次のような内容が当てはまります。

  • 非正規雇用者の正社員登用
  • 従業員の教育(資格取得やセミナーなど)
  • 有給休暇の取得率向上
  • 育児休業の活用推進
  • 残業時間の削減など

いづれも労働者にとって嬉しい内容ではありますが、どれもそれ相応のお金がかかることもあり、事業主からすれば推進しづらいのが現状です。

そこで、助成金を上手く活用し、会社や個人事業の労働環境を改善していこうというのが本来の目的です。

似ているようで違う!補助金とは

補助金とは、経済産業省や地方自治体が管轄する支援金のこと。返済義務が生じない点においては助成金と同じですが、そもそも管轄が異なるという認識を持っておくことで違いを理解できることでしょう。

補助金の目的

労働環境の整備に支援される助成金とは異なり、補助金の支給対象は幅広い傾向にあります。

例えば、革新的なアイデアを用いて起業する場合や、先進的な技術を取り入れた事業計画、新商品開発のための研究費など、何らかの事業計画に対して『補助』するために支援されます。

助成金よりも補助金の方が支援金額が大きい傾向にありますが、その分審査が厳しく、膨大な事業計画書の提出及び面接が必要となります。

助成金を受ける条件

①雇用保険適用事業所であること
②支給のための審査に協力すること
③支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等を整備・保管していること
④支給または不支給の決定のための審査に必要な書類等の提出を、管轄労働局等から求められた場合に応じること
⑤管轄労働局等の実地調査を受け入れること
⑥申請期間内に申請を行うこと

出典元:厚生労働省『各雇用関係助成金に共通の要件等』

助成金を受給できない事業主

①不正受給をしてから3年以内に支給申請をした事業主、あるいは支給申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主
②支給申請日の属する年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給 申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主を除く)
③支給申請日の前日から起算して1年前の日から支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主
④性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれら営業の一部を受託する営業を行う事業主
⑤暴力団関係事業主
⑥支給申請日または支給決定日の時点で倒産している事業主
⑦不正受給が発覚した際に都道府県労働局等が実施する事業主名等の公表について、あらかじめ同意していない事業主

出典元:厚生労働省『各雇用関係助成金に共通の要件等』

更に詳細な留意事項などが気になる方は、厚生労働省のホームページよりご確認ください。

【公式】厚生労働省

助成金の財源はどこから?

そもそも助成金はどこから拠出されているのかというと、事業主が支払う『雇用保険』です。

雇用保険制度は、『労働者に対する給付』と『事業主に対する給付』の2種類があり、後者が『雇用保険第二事業』と呼ばれています。更に『雇用保険第二事業』の中には、『雇用安定事業』と『能力開発事業』の2種類存在しており、両事業の目的を果たすために助成金が利用されています。

このように、助成金の拠出元が雇用保険であることから、雇用保険に加入している事業者が受給対象となっているのです。

助成金制度の種類

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出典元:123RF

厚生労働省が提供する助成金は、目的に合わせて種類が細分化されているため、どの助成金を活用すれば良いのか悩んでしまうものです。

そこで、助成金の種類はどれほどなのか、制度の内容や目的などをジャンルごとに解説していきます。

1.雇用を維持したい事業主向けの助成金

事業縮小を余儀なくされた事業主が、教育訓練や出向という扱いで従業員の雇用を維持したいときに支給される助成金です。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
雇用調整助成金 最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していることなど(全5項目) 休業手当または教育訓練、出向を実施 対象労働者1人あたり1日8,335円(上限)など

2.再就職支援関係の助成金

離職を余儀なくされた労働者の再就職先支援や、雇い入れる際に支給される助成金です。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
労働移動支援助成金(再就職支援コース) 再就職援助計画の提出など(全7項目) 再就職支援を職業紹介事業者に委託

求職活動のために休暇の付与

再就職のための訓練を教育訓練施設等に委託など
対象者1人あたり1日5,000(上限)など
労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース) 支給対象者を一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れることなど(全2項目) 離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れ、継続して雇用することが確実である事業主 対象者1人につき30万円など

3.転職・再就職拡大支援関係の助成金

中途採用の拡大や、中高年者の雇入れなどに支給される助成金です。全部で3種類ありますが、ここでは1種類のみ紹介します。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース) 中途採用計画書の提出など(全4項目) 中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を図った事業主 最大70万円

4.雇入れ関係の助成金

65歳以上の高年齢者を雇い入れるなどに支給される助成金です。全部で13種類ありますが、ここでは1種類のみ紹介します。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
特定求職者雇用開発助成金 ハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により雇い入れることなど(全2項目) 就職困難者を継続して雇用する事業主 最大120万円

5.雇用環境の整備関係等の助成金

雇用管理や雇用形態の見直しといった柔軟な働き方の工夫などに支給される助成金です。 全部で29種類ありますが、ここでは1種類のみ紹介します。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
障害者雇用安定助成金(障碍者職場定着支援コース) 通院または入院のといった特別な有給休暇の付与を継続的に講じるなど(全7項目) 障害者雇用の促進や、職場定着を図れる事業主 対象者1人につき8万円など

6.仕事と家庭の両立支援関係等の助成金

男性社員の育児休業取得支援を推進するなどに支給される助成金です。全部で6種類ありますが、ここでは1種類のみ紹介します。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
両立支援等助成金(出生時両立支援コース) 一般事業主行動計画の策定など(全2項目) 男性労働者が育児休業を取得しやすい職場風土作りの取組を行っていることなど 最大72万円

7.人材開発関係の助成金

若年者への訓練や、職務に関連した知識・技能を習得させるための訓練を実施するなどに支給される助成金です。全部で7種類ありますが、ここでは1種類のみ紹介します。

助成金の概要

助成金名 条件 対象 助成金金額
人材開発支援助成金(特定訓練コース) 採用5年以内で35歳未満の若年労働者への訓練など(全6項目) OJTとOff-JTを組み合わせた訓練などを実施する事業主 1人1時間あたり960円など

助成金の種類が豊富に存在するほか、制度の内容や条件などの改正が随時行われているため、助成金の申請を検討されている方は厚生労働省ホームページより随時確認するようにしてください。

【公式】厚生労働省

また、会社経営に役立つ助成金が知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

会社経営に役立つ助成金が知りたい|2019年の助成金を一覧で紹介

いつどこに?いくらもらえる?助成金の申請方法

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助成金の種類が豊富にあるため必要書類などはその都度異なりますが、申請場所や申請方法などの基本的な流れは全て同じです。助成金の申請を検討している方は、この機会に大まかな流れを把握しておきましょう。

助成金の申請方法

助成金の申請は自分で行うことができます。しかし、必要書類が膨大であることや、手続きに多くの時間を要すことなどから、助成金の申請を社会保険労務士に依頼する方が多い傾向にあります。

ではなぜ社会保険労務士に依頼するのかというと、助成金の申請代行は社会保険労務士の独占業務として定められているためです。

会計士や中小企業診断士といった資金調達のプロは他にも存在しますが、助成金の申請代行を請け負うことはないため、あらかじめご注意ください。

また、助成金の申請代行に伴う諸費用などは申請を行う助成金の種類や申請書類の量などに異なりますが、着手金が5万円~10万円前後、成功報酬として支給金額の20%前後が費用目安となります。

社会保険労務士に依頼する際は着手金が発生するケースがほとんどですが、お見積もりや相談などは無料としている場所も多いため、まずは一度初回相談に出向くのがおすすめです。

助成金申請の流れ

  1. 助成金申請に向けた事前チェック(就業規則や雇用契約書といった必要書類の整備等)
  2. 実施計画の申請
  3. 助成金受給のために実施計画の遂行
  4. 助成金の申請
  5. 助成金の受給(申請内容が認可されると『支給決定通知書が届く』)

助成金の申請から受給までの大まかな流れは上記の通りとなります。実施計画の遂行や助成金の申請なども大切な作業ではありますが、重要視しておきたいのは『助成金申請に向けた事前チェック』です。

というのも、せっかく作成した実施計画に不備が生じていると、最悪の場合助成金を受給できない可能性もあります。助成金の申請に通過した事業主は、厚生労働省から認められたことにも繋がるため、会社の信頼度を高めるためにも再三チェックした上で実施計画の申請に移りましょう。

申請場所

助成金の申請場所は、助成金の種類によって異なります。全国各地に助成金の申請場所が設けられているため、厚生労働省のホームページよりご確認ください。

【公式】助成金申請場所

申請から助成金を受け取るまでの期間

助成金は申請する種類によって受給までの期間が異なり、早くても2ヵ月~半年前後、一般的な期間で1年以上かかります。

助成金を受け取るまでに長い期間を要す理由としては、助成金申請の際に提出した『実施計画』を遂行する必要があるためです。

例えば、『両立支援等助成金(出生時両立支援コース)』の申請を行う場合、男性労働者が育児休暇の取得を行うことや、取得しやすい環境作りを行う必要があります。

事業主側で男性労働者の育児休暇を調整できるはずもなく、自ずと受給期間が延びるというのが現状です。

もちろん、助成金の種類によって期間は異なりますが、助成金の申請で大切なことは『実施計画の遂行』です。厚生労働省は事業の職場環境改善のために助成金を提供しているということを念頭に置き、助成金の申請手続きを進めてください。

助成金と補助金の違いや、助成金の申請方法を再確認したい方はこちらの記事も参考にしてください。

助成金と補助金ってどんなお金?特徴から申請の流れまで徹底解説

記事内の情報は2019/08/24時点のものです。

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